アルトナーが2026年3月13日に発表した2026年1月期(2025年2月〜2026年1月)の本決算は、売上高120億4,700万円、営業利益18億2,200万円という結果で、12期連続の最高益更新を達成しました。自動車メーカーや半導体製造装置メーカーからの技術者需要が引き続き旺盛で、稼働人員の増加と技術者単価の上昇が業績を力強く支えました。配当(株主への利益分配)も増額が継続しており、次期(2027年1月期)は売上高140億円台への大幅な成長が見込まれています。
この会社、何をしているの?
アルトナーは、大阪に本社を置く「技術者派遣(エンジニアリング)」の専門会社です。機械設計・電子回路・ソフトウェア開発などの高度な専門技術を持つエンジニアを正社員として雇い、自動車メーカーや半導体製造装置メーカーなどの企業に派遣するビジネスを手掛けています。
「技術者派遣」とは、たとえば「トヨタに設計のスペシャリストを貸し出す」ようなイメージです。メーカー側は自社で技術者を採用・育成するコストを抑えながら、必要な時に必要なスキルの人材を確保できます。アルトナーは技術者を正社員として安定的に雇用しているため、技術者にとっても安心して働ける環境が整っています。
主な派遣先は研究開発・設計開発領域で、自動車関連と半導体製造装置(AI普及で急成長中の分野)を中心に需要が拡大しています。また「請負・受託事業」として、プロジェクト単位で成果物を提供するビジネスも展開しています。12年連続で最高益を更新し続けるニッチトップ企業です。
2026年1月期の業績まとめ
2025年2月から2026年1月の1年間(2026年1月期)の連結業績は以下のとおりです。なお、今期より初めて連結財務諸表を作成したため、前期比較は行われていません。
- 売上高(会社全体の売り上げ):120億4,700万円
- 営業利益(本業で稼いだ利益):18億2,200万円 営業利益率 15.1%
- 経常利益(本業以外の損益も含めた利益):18億2,400万円
- 純利益(最終的に会社に残る利益):12億5,900万円
- 総資産:90億5,800万円 純資産:52億2,300万円
注目ポイント①:12期連続最高益!強さの秘密は「高付加価値×需要拡大」
アルトナーが12年連続で最高益を更新し続けられる理由は、事業モデルと外部環境の好循環にあります。
まず、派遣先として研究開発・設計開発という高付加価値な領域に絞っている点が強みです。単純な作業ではなく専門性の高い技術者を提供するため、技術者の単価(1人あたりの派遣料金)が高く、利益率を維持しやすい構造になっています。
今期は特に自動車メーカーと半導体製造装置メーカーからの需要が旺盛でした。半導体製造装置とは、「AI・スマートフォン・電気自動車に使われる半導体チップを作るための機械」のことです。世界的なAI需要の拡大を背景に、この分野の技術者ニーズは急増しています。
さらに今期は2025年入社の新卒技術者の配属が予定より前倒しで進み、稼働人員が増加。賃上げ傾向を反映した単価上昇も重なり、売上・利益ともに好調に推移しました。営業利益率15.1%は技術者派遣業として非常に高い水準です。
注目ポイント②:初の連結決算で事業拡大を示す
今期より初めて連結財務諸表を作成しました。連結財務諸表とは、親会社だけでなくグループ会社全体を合算した財務データのことです。これはグループ経営が本格化していることを示しており、今後のM&A(企業買収)や事業拡大への意欲をうかがわせます。
総資産90億5,800万円のうち、のれん(企業買収によって生じた無形の資産)が15億1,900万円計上されており、すでに複数の事業会社を傘下に持つグループ企業として成長しています。財務の安全性を示す自己資本比率は約57.7%と、手堅い財務体質を維持しています。
注目ポイント③:配当84円・翌期も増配予定
今期の年間配当は1株あたり84円でした。増配傾向が続いており、翌期(2027年1月期)の配当予想は86円(+2円)とさらなる増配が予定されています。
今後の見通し
会社が発表している2027年1月期の通期業績予想は以下のとおりです。
- 売上高:140億2,100万円(前期比 +16.4%)
- 営業利益:20億1,700万円(+10.7%)
- 経常利益:20億2,100万円(+10.9%)
- 純利益:12億4,800万円(▲0.9%)
- 年間配当:86円(+2円)
売上高は16.4%増と力強い成長を見込んでいます。一方、純利益が若干の減少予想となっているのは、採用・教育投資やIT・DX投資の増加が見込まれるためです。これは短期的なコストアップより中長期の成長基盤づくりを優先する姿勢と読み取れます。
注意点として、米国の通商政策(関税問題)が自動車産業に与える影響は不透明で、主要顧客である自動車メーカーの研究開発投資が縮小するリスクがある点は頭に入れておく必要があります。
まとめ
アルトナーの2026年1月期決算は12期連続最高益を達成し、技術者派遣ビジネスの底力を見せました。自動車・半導体という成長分野への集中が功を奏しており、翌期も売上高16%増の高成長を予想しています。初の連結決算でグループ経営への移行を明確にした点も、今後の展開を占う上で注目されます。
本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を行うものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

