はじめに
電子部品実装機(電子基板に部品を自動で取り付ける機械)や産業用ロボットを手がける株式会社FUJI(証券コード:6134)が、2026年3月期 第3四半期(2025年4〜12月)の決算を発表しました。売上高は前年同期比36.0%増、営業利益(本業で稼いだ利益)は同92.5%増と、大幅な成長を遂げています。世界的なAIサーバー需要の急増がFUJIの業績を大きく押し上げており、通期(1年間の合計)予想も上方修正されました。本記事では、その主なポイントと今後の見通しを分かりやすく解説します。
業績サマリー
2026年3月期 第3四半期(2025年4〜12月)の業績は以下のとおりです。
| 項目 | 当期(2025年4〜12月) | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高(会社の稼ぎ) | 1,272億91百万円 | +36.0% |
| 営業利益(本業で稼いだ利益) | 188億47百万円 | +92.5% |
| 経常利益(通常の活動全体の利益) | 200億79百万円 | +79.7% |
| 当期純利益(最終的な手残り利益) | 160億72百万円 | +90.2% |
| 1株あたり純利益 | 182.59円 | — |
自己資本比率(自社のお金でどれだけ事業を賄えているかの割合)は85.9%と非常に高い水準を維持しており、財務の安定性も際立っています。
注目ポイント
ポイント①:AIサーバーブームがFUJIの業績を一変させた
FUJIの主力製品は、スマートフォンや自動車・AIサーバーなどの電子基板に細かな部品を取り付ける「部品実装機」です。近年、AI(人工知能)の計算に使うサーバーの需要が世界的に急増しており、その製造ラインでFUJIの機械が大活躍しています。
特にタイのお客さまからの受注(注文)が急増しており、売上を大きく押し上げました。受注高(受け取った注文の合計額)は1,432億83百万円と前年同期比72.0%増という驚異的なペースで伸びています。100円の売上が172円になったイメージです。
AIサーバーは今後も世界中で増設が続く見通しで、このトレンドがFUJIの受注を支える大きな柱となっています。同社のロボットソリューション事業(スマートファクトリー関連事業全体)の売上高は1,185億62百万円(前年同期比+40.6%)と、グループ全体の成長をけん引しました。
ポイント②:新型機「NXTR」へのシフトが加速
FUJIは現在、主力製品を従来の「NXT」シリーズから新型の「NXTR」シリーズへと切り替えを進めています。NXTRは生産スピードや省エネ性能が大幅に向上した機種で、お客さまからの評価も高まっています。
決算説明資料によれば、NXTRへの機種切替(モデルチェンジ)は加速しており、2026年3月期全体では新型機が販売の大きな割合を占める見込みです。新型機への移行が進むことで、製造コストの削減と利益率(売上に対する利益の割合)のさらなる改善が期待されます。
ポイント③:通期予想を上方修正、増益ペースが続く
好調な業績を受けて、2026年3月期の通期業績予想を上方修正しました。売上高は1,830億円(前期比+43.7%)、営業利益は306億円(前期比+122.0%)を見込んでいます。前の期に比べて営業利益が約2.2倍になるという、非常に大幅な成長予想です。
配当(株主へ利益を分ける仕組み)についても、年間80円を予定しています。業績の好調に合わせて株主への還元も着実に進んでいます。
今後の見通し
第3四半期終了時点での通期業績の進捗率(予想に対する達成割合)を確認すると、売上高で約69.6%、営業利益で約61.6%となっています。第4四半期(2026年1〜3月)で残りの部分を達成する必要がありますが、高水準の受注残(まだ売上に計上されていない受注の積み上がり)がバックアップしているため、会社予想の達成は現実的な水準と考えられます。
AIサーバー向けの需要は引き続き旺盛(活発)であり、NXTRへの切替需要も続く見通しです。一方、半導体不足や為替の変動など、外部環境の変化には引き続き注意が必要です。
まとめ
FUJIの2026年3月期第3四半期決算は、AIサーバー需要という強い追い風を受け、売上・利益ともに大幅増という非常に好調な内容でした。新型機NXTRへの切替加速と旺盛な受注残を背景に、通期での増収増益達成が期待されます。自己資本比率85.9%という盤石(がんじょう)な財務基盤も、長期的な成長を支える大きな強みです。
※ 本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄への投資を勧誘するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

