ヒューリック(3003)2025年12月期 通期決算まとめ|売上高+22.9%の大幅増収、3年連続増配で来期67円予想

ヒューリック 決算ブログ

2026年1月29日、東京都心の賃貸ビル事業を中心とする不動産会社・ヒューリック株式会社(証券コード:3003)が2025年12月期の通期決算を発表しました。売上高は前期比+22.9%と大幅な増収となり、営業利益・経常利益・純利益のすべてが前期を上回る増収増益を達成。配当は年間62円(前期比+8円)へ増配し、来期2026年12月期も67円へのさらなる増配を予想しています。


この会社、何をしてるの?

ヒューリックは、東京都心を中心にオフィスビルや商業施設などを所有・賃貸する不動産会社です。

ビジネスの中心は「ビルを持って、企業や店舗に貸し、毎月家賃をもらう」という賃貸事業です。東京の一等地(銀座・渋谷・新宿・丸の内など)に高品質なビルを多数保有しており、テナント(入居する企業や店舗)から安定した賃料収入を得ています。これが、業績を安定させる大きな柱です。

もうひとつの収益源が不動産の売買(販売事業)です。ビルや土地を取得して、適切なタイミングで売却することで利益を得ます。この売買の成否は経済情勢や不動産市況によって変わるため、年によって売上高が大きく変動することがあります。

2025年12月期は、鉱研工業株式会社など3社を新たに連結子会社に加えるなど、M&A(買収・合併)を通じた事業拡大も続けています。元々は富士銀行(現みずほ銀行)グループの不動産会社で、みずほ銀行やみずほ信託銀行が主要株主です。


2025年12月期(通期)の業績サマリー

指標 2025年12月期 2024年12月期 前期比
売上高 7,274億円 5,916億円 +22.9%
営業利益(本業の儲け) 1,868億円 1,634億円 +14.3%
経常利益 1,729億円 1,543億円 +12.0%
純利益(親会社帰属) 1,143億円 1,023億円 +11.7%
1株あたり利益(EPS) 150.50円 134.42円 +12.0%

ヒューリック(3003)2025年12月期 通期決算チャート

■ 通期業績比較(億円)

売上高 前期 5,916 今期 7,274 +22.9%▲

営業利益 前期 1,634 今期 1,868 +14.3%▲

純利益 前期 1,023 今期 1,143 +11.7%▲

【増収増益のポイント】 ① 売上+22.9%:不動産販売の大型案件が複数成立 ② 営業利益率25.6%:高収益体質を維持 ③ EPS 150.50円(前期134.42円→+12.0%) ④ ROE 13.0%(不動産会社として高水準)

■ 配当推移(3年連続増配)

2024年12月期 中間26円 期末28円 計 54円

2025年12月期 中間28.5円 期末33.5円 計 62円

2026年12月期(予想) 中間33.5円 (予想) 期末33.5円 計 67円

+8円 +5円

3年連続増配で株主還元を強化中 配当性向:41.1%(利益の4割超を配当で還元) 来期67円は株価に対して安定的な配当水準 → 増配継続の方針を明確に示している 純資産配当率(DOE):5.3%(2025年実績)

■ 2026年12月期 業績予想

営業利益 2,100億円(+12.4%)

経常利益 1,850億円(+6.9%)

純利益 1,210億円(+5.8%)

※売上高は不動産売買の予測困難なため非開示

■ 財務状態・収益性指標

総資産 3.5兆円 (前期末3.0兆円から増加)

自己資本比率 26.0% (前期末27.3%)

ROE(自己資本利益率) 13.0% (不動産業界で高水準)

売上高営業利益率 25.6% (高収益体質を維持)

出典:ヒューリック株式会社 2025年12月期決算短信(2026年1月29日開示) 本チャートは情報提供目的です。投資判断は自己責任でお願いします。


注目ポイント①|売上高+22.9%の大幅増収、不動産販売の好調が主因

今期は売上高が前期比で約1,358億円増加し、+22.9%という大幅な増収となりました。

この背景には、東京都心の不動産市況(不動産の売り買いの活発さ)の好調があります。ヒューリックの収益は、毎月家賃が入る賃貸事業(安定収入)と、物件を売って稼ぐ販売事業(変動収入)の2つで成り立っています。今期は販売用不動産の大型売却が複数成立したことが売上を大きく押し上げました。

一方で、不動産会社の「本当の実力」を測る指標としては、安定した賃貸事業の利益が重要です。営業利益は+14.3%と堅実に増加しており、賃貸事業の底堅さも確認できます。売上高営業利益率は25.6%と、4分の1以上が利益に残る高収益体質を維持しています。

注目ポイント②|3年連続増配、来期も67円へさらなる増配予想

ヒューリックの株主還元(利益を株主に返す取り組み)が際立っています。

2024年12月期(実績) 2025年12月期(実績) 2026年12月期(予想)
中間配当 26.00円 28.50円 33.50円(予想)
期末配当 28.00円 33.50円 33.50円(予想)
年間合計 54円 62円 67円(予想)

今期から来期にかけて54円→62円→67円と3年連続増配の見通しです。配当性向(利益のうち配当に回す割合)は41.1%で、安定した還元姿勢が続いています。

注目ポイント③|来期も増益予想、営業利益は2,100億円へ

2026年12月期の会社業績予想は次の通りです(売上高は不動産売買の予測困難なため非開示)。

指標 2026年12月期予想 前期比
営業利益 2,100億円 +12.4%
経常利益 1,850億円 +6.9%
純利益 1,210億円 +5.8%
EPS予想 159.35円

引き続き増益基調を維持する見込みです。売上高が非開示なのは、不動産の大型売買がいつ成立するかを事前に予測するのが難しいためで、ヒューリック特有の開示方針です。


財務の健全性

総資産は約3兆5,061億円(前期末約3兆489億円から約4,572億円増加)。不動産会社は大きな物件を借入金を使って取得するため、負債が多くなる傾向がありますが、自己資本比率は26.0%(前期27.3%)と不動産業界の中では一定の水準を維持しています。

自己資本純利益率(ROE)は13.0%で、不動産会社として高い収益性を示しています。1株あたり純資産は1,202.76円と増加が続いています。


今後の見通し|東京都心の不動産需要が追い風

東京都心のオフィス需要は、在宅勤務(テレワーク)の落ち着きとともに回復傾向が続いており、賃料水準も堅調です。ヒューリックが保有する一等地の物件は高い入居率を維持しており、安定した賃貸収入が期待されます。

また、データセンターや物流施設などの新しいタイプの不動産への投資・開発も進めており、将来の収益源の多様化を図っています。M&Aを通じた成長戦略も継続する見込みで、来期の純利益予想1,210億円(+5.8%)への着地が期待されます。


まとめ

ヒューリック(3003)の2025年12月期は、不動産販売の好調に支えられた大幅増収と安定した増益を達成。3年連続増配となる年間62円に加え、来期は67円への増配も予想しており、株主還元への積極姿勢が際立ちます。東京都心の賃貸ビル事業を核に、安定成長を続ける優良不動産株として注目を集めそうです。


本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を行うものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、誤りがある場合は公式IR資料をご確認ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA