2026年2月5日、「アタック」「ビオレ」「メリット」などでおなじみの花王株式会社(証券コード:4452)が、2025年12月期の通期決算を発表しました。売上高は前期比+3.7%、営業利益は+11.9%、純利益は+11.4%と、主要3指標がそろって増益を達成。さらに年間配当を前期比+2円の154円に引き上げ、37期連続増配(実質)となる見通しです。
この会社、何をしてるの?
花王は、日本を代表する生活用品・化粧品の総合メーカーです。
みなさんのご家庭でも使っているかもしれない「アタック(洗濯洗剤)」「ビオレ(スキンケア)」「メリット(シャンプー)」「キュキュ(食器用洗剤)」「ニベア(保湿クリーム)」など、幅広い日用品を販売しています。国内だけでなく、アジア・欧米など世界中で事業を展開しています。
大きく分けると「グローバルコンシューマーケア事業(生活用品全般)」「化粧品事業(カネボウブランドなど)」「ケミカル事業(工業用化学品)」の3つの柱で成り立っています。2025年は、国内の洗剤・シャンプーなどのトイレタリー(日用品)のシェアが30ヶ月連続で前年同月を上回るなど、日本市場での競争力が着実に高まっています。
2025年12月期(通期)の業績サマリー
| 指標 | 2025年12月期 | 2024年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆6,886億円 | 1兆6,284億円 | +3.7% |
| 営業利益(本業の儲け) | 1,641億円 | 1,466億円 | +11.9% |
| 税引前利益 | 1,698億円 | 1,510億円 | +12.5% |
| 純利益(親会社帰属) | 1,201億円 | 1,078億円 | +11.4% |
| 1株あたり利益(EPS) | 260.30円 | 231.94円 | +12.2% |
| 営業利益率 | 9.7% | 9.0% | +0.7pt |
※会計基準はIFRS(国際財務報告基準)
注目ポイント①|3指標そろった増収増益、化粧品が大幅回復
今期は売上高・営業利益・純利益のすべてが前期を上回る増収増益を達成しました。
特に目立ったのが化粧品事業の大幅増収増益です。カネボウブランドを中心とする化粧品が、日本とアジアを中心に売上を回復させ、コスト削減の効果もあって利益の改善が鮮明となりました。
また、国内のトイレタリー(洗剤・シャンプーなど日用品)事業では、市場でのシェア(占める割合)が30ヶ月連続で前年同月を上回るという実績を達成。「稼ぐ力」の回復が数字にしっかり現れています。
営業利益率は9.7%(前期9.0%)と改善が続いており、約10円稼ぐごとにほぼ1円が本業の利益として残る高収益体質に近づいています。
注目ポイント②|37期連続増配(実質)+株式分割も実施
花王の株主還元の特長は、長期にわたる増配の継続です。
| 期 | 年間配当 | 変化 |
|---|---|---|
| 2024年12月期 | 152円 | — |
| 2025年12月期 | 154円 | +2円 |
| 2026年12月期(予想) | 156円相当(分割前ベース) | +2円(実質) |
2025年12月期の配当は年間154円(中間77円+期末77円)となり、37期連続で配当を増やし続けていることになります(実質ベース)。配当性向(利益のうち配当に回す割合)は59.2%です。
さらに、2026年7月1日に1株→2株の株式分割を実施する予定です。株式分割により、1株あたりの購入価格が下がるため、これまで「高くて買えなかった」という個人投資家も株を買いやすくなります。
注目ポイント③|来期も増収増益予想、営業利益は1,820億円へ
2026年12月期の会社業績予想は次の通りです。
| 指標 | 2026年12月期予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1兆7,500億円 | +3.6% |
| 営業利益 | 1,820億円 | +10.9% |
| 税引前利益 | 1,850億円 | +8.9% |
| 純利益(親会社帰属) | 1,300億円 | +8.3% |
来期も増収増益を見込んでおり、営業利益は約1,820億円と今期からさらに約180億円の増加を想定しています。
財務の健全性
総資産は約1兆8,751億円。親会社所有者に帰属する持分比率(自己資本比率に相当)は56.7%と、借金が少なく財務的に安定した状態が続いています。1株あたり純資産は2,352円と増加が続き、企業の「体力」の厚みが増しています。
また、2025年は総額800億円の自己株式取得・消却(株を市場から買い戻して消す取り組み)を実施しており、1株あたりの価値を高める株主還元にも積極的に取り組んでいます。
今後の見通し|K27と3つの技術で成長加速
花王は中期経営計画「K27」のもと、成長戦略を推進しています。「精密選択洗浄」「個体最適選択」「環境適合選択」という3つのキーとなる技術を軸に、製品の高付加価値化(価格を上げても選ばれる商品づくり)を目指しています。
海外では欧米のスキンプロテクション(日焼け止めなどの肌保護製品)が成長の芽として期待されており、今後の拡大が見込まれます。国内では引き続き価格転嫁(原材料費の上昇分を製品価格に反映すること)と市場シェアの維持・拡大を両立させる方針です。
まとめ
花王(4452)の2025年12月期は、売上・営業利益・純利益のすべてが増加し、堅実な増収増益を達成しました。37期連続増配(実質)に加え、2026年7月の株式分割も発表。来期も増収増益予想が続いており、生活用品の安定需要を背景に長期保有の視点から注目されやすい銘柄です。
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