開示日:2026年2月12日 / 対象期間:2025年1月1日〜2025年12月31日(2025年12月期 通期)
会社概要
株式会社クボタ(証券コード:6326)は、大阪府大阪市に本社を置く農業機械・建設機械・水・環境ソリューションの総合メーカーです。トラクター・コンバイン・田植機などの農機を中核に、小型建設機械(ミニショベル)、水道管、環境エンジニアリングなど幅広い事業を展開し、世界130カ国以上に事業を展開するグローバル企業です。IFRS(国際財務報告基準)を採用しており、東証プライム市場に上場しています。
2025年12月期 通期業績サマリー
| 指標 | 2025年12月期 | 前年同期比 | 2024年12月期(実績) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,018,891百万円 | +0.1% | 3,016,281百万円 |
| 営業利益 | 265,470百万円 | △15.9% | 315,636百万円 |
| 税引前利益 | 282,140百万円 | △15.9% | 335,297百万円 |
| 親会社帰属当期利益 | 186,687百万円 | △19.0% | 230,437百万円 |
| 基本的1株当たり利益(EPS) | 163.44円 | — | 197.61円 |
| 売上高営業利益率 | 8.8% | — | 10.5% |
注目ポイント3選
① 農機需要の調整局面で営業利益率が大幅低下
売上高は前年比+0.1%とほぼ横ばいを維持しましたが、営業利益は前年比△15.9%(315,636百万円→265,470百万円)と大幅な減益となりました。北米・欧州を中心に農業機械の需要調整局面が継続し、在庫適正化に伴う減産・販売コスト増が利益を圧迫しました。為替(円高方向への変化)や原材料コスト増も重なり、売上高営業利益率は前年の10.5%から8.8%へと1.7ポイント低下しています。
② 2026年は営業利益+13.0%の強気なV字回復予想
農機市場の需要回復を見込み、2026年12月期の通期業績予想は売上高3,150,000百万円(+4.3%)・営業利益300,000百万円(+13.0%)・税引前利益317,000百万円(+12.4%)・親会社帰属当期利益210,000百万円(+12.5%)を公表しました。北米市場での在庫水準正常化、新製品投入、小型建設機械の好調が回復を牽引する見通しです。2025年比でのEPS予想は184.69円と、前年実績163.44円から大幅回復を想定しています。
③ 増配(50円→52円)で株主還元を継続強化
2025年12月期の年間配当は50円(前年と同額)を維持しました。配当性向は30.6%(前年25.3%)と利益の減益分を受けて上昇しています。さらに、2026年12月期の配当予想は52円(前年比+2円)への増配を予定しており、業績回復局面においても株主還元を積極的に強化する姿勢を示しています。
来期(2026年12月期)業績予想
| 指標 | 通期予想 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 3,150,000百万円 | +4.3% |
| 営業利益 | 300,000百万円 | +13.0% |
| 税引前利益 | 317,000百万円 | +12.4% |
| 親会社帰属当期利益 | 210,000百万円 | +12.5% |
| 基本的1株当たり当期利益(EPS) | 184.69円 | — |
財政状態(2025年12月31日時点)
- 資産合計:6,204,909百万円(前期末6,018,665百万円)
- 資本合計:2,873,024百万円(前期末2,739,766百万円)
- 親会社所有者帰属持分:2,622,985百万円(前期末2,477,314百万円)
- 親会社所有者帰属持分比率:42.3%(前期末41.2%)
- 1株当たり親会社所有者帰属持分:2,306.80円(前期末2,155.29円)
資産・資本ともに増加しており、持分比率も42.3%と安定した財務基盤を維持しています。
配当
| 第2四半期末 | 期末 | 年間合計 | 配当性向(連結) | |
|---|---|---|---|---|
| 2024年12月期(実績) | 25.00円 | 25.00円 | 50.00円 | 25.3% |
| 2025年12月期(実績) | 25.00円 | 25.00円 | 50.00円 | 30.6% |
| 2026年12月期(予想) | 26.00円 | 26.00円 | 52.00円 | 28.2% |
減益の中でも前年と同額の50円配当を維持し、翌期はさらに52円へ増配予定です。
キャッシュフロー
| 2025年12月期 | 2024年12月期 | |
|---|---|---|
| 営業活動によるCF | 327,901百万円 | 292,084百万円 |
| 投資活動によるCF | △163,726百万円 | △208,079百万円 |
| 財務活動によるCF | △164,402百万円 | △26,276百万円 |
| 期末現金及び現金同等物 | 276,959百万円 | 295,130百万円 |
営業キャッシュフローは前年比大幅増の327,901百万円を確保しており、実態的な収益力は維持されています。
今後の見通し
クボタは2026年12月期に向けて、農機需要の本格回復を見込んでいます。北米・欧州では在庫水準が正常化しつつあり、農家の設備投資意欲の回復が期待されます。また、インドや東南アジアなど新興国市場での農機需要拡大、小型建設機械(ミニショベル)のグローバル展開、水・環境ソリューション事業の拡大も成長ドライバーとして機能する見込みです。通期で営業利益300,000百万円(+13.0%)を目標とする強気な予想は、農機大手としての回復力への自信を示しています。
まとめ
クボタの2025年12月期通期決算は、売上高こそほぼ横ばい(+0.1%)でしたが、農機需要の調整局面の影響を受け営業利益△15.9%、親会社帰属利益△19.0%と大幅な減益となりました。しかし、2026年は営業利益+13.0%のV字回復予想を打ち出しており、市場回復への期待は高い水準にあります。増配(50円→52円)と強固なキャッシュフロー創出力が、中長期視点での株主価値向上を支えています。農業機械市場の動向とともに、クボタの回復軌道に注目です。
※本記事は公開情報(決算短信)をもとに作成した参考情報であり、投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任のもとで行ってください。

