2026年3月5日、住宅大手の積水ハウス株式会社(証券コード:1928)が2026年1月期の通期決算を発表しました。売上高は4兆1,979億円(前期比+3.4%)、当期純利益は2,321億円(前期比+6.6%)と増収増益を達成。年間配当は144円(前期比+9円)と14期連続の増配を実現しました。一方、次期(2027年1月期)の純利益は前期比-6.1%と慎重な予想となっており、米国事業統合コストの影響が注目されます。
この会社、何をしてるの?
積水ハウスは、日本最大級の住宅メーカー(ハウスメーカー)です。戸建住宅(一軒家)の設計・建設から、マンション・アパートの建設・管理、さらに不動産の売買・仲介まで幅広い住まい関連事業を展開しています。2024年には米国住宅大手のM.D.C. Holdings(MDC)を買収し、日本・米国・オーストラリアなどグローバルに事業を広げるハウスメーカーとなりました。「いのちの森づくり」など環境への取り組みにも力を入れており、サステナビリティ(持続可能性)を重視した企業として知られています。
2026年1月期 通期の業績サマリー
| 指標 | 2026年1月期 | 2025年1月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4兆1,979億円 | 4兆586億円 | +3.4% |
| 営業利益 | 3,414億円 | 3,314億円 | +3.0% |
| 経常利益 | 3,278億円 | 3,016億円 | +8.7% |
| 当期純利益 | 2,321億円 | 2,177億円 | +6.6% |
| 1株当たり純利益(EPS) | 358.07円 | 335.95円 | — |
注目ポイント①|14期連続増配!年間配当144円を確定
積水ハウスの最大の魅力の一つが、長年続く連続増配(毎年配当金を増やし続けること)です。2026年1月期の年間配当は144円(前期135円比+9円)と確定し、14期連続の増配を達成しました。
| 期 | 中間配当 | 期末配当 | 年間合計 |
|---|---|---|---|
| 2025年1月期(実績) | 64円 | 71円 | 135円 |
| 2026年1月期(実績) | 72円 | 72円 | 144円 |
| 2027年1月期(予想) | 72円 | 73円 | 145円 |
次期(2027年1月期)も145円への増配が予想されており、15期連続増配に向けて着実に配当を積み上げています。配当性向(利益のうち配当に回す割合)は40.2%と健全な水準を維持しています。
注目ポイント②|米国事業の急拡大と利益圧迫の両面
積水ハウスは2024年に米国住宅大手M.D.C. Holdingsを買収し、国際事業が売上高で大幅に拡大しました。これにより2026年1月期の売上高全体は4.2兆円と増収を達成しています。
しかし一方で、以下の理由から利益面に圧力がかかっています。
- のれん償却費(買収した会社の価値に対して毎年計上するコスト)の発生
- 米国の住宅ローン金利の高止まり:住宅ローン金利(家を買うときに銀行から借りるお金の利息)が高い水準で推移し、米国での住宅販売に逆風となっています
- インセンティブ(販売促進費)の増加:販売を促進するための費用が増えています
この影響が次期(2027年1月期)の純利益予想-6.1%に反映されています。
注目ポイント③|次期(2027年1月期)業績予想
| 指標 | 2027年1月期(予想) | 2026年1月期(実績) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4兆3,530億円 | 4兆1,979億円 | +3.7% |
| 営業利益 | 3,500億円 | 3,414億円 | +2.5% |
| 経常利益 | 3,140億円 | 3,278億円 | ▲4.2% |
| 当期純利益 | 2,180億円 | 2,321億円 | ▲6.1% |
売上高・営業利益は増加予想ですが、経常利益・当期純利益は前期比で減少する見通しです。これはM.D.C. Holdings買収に伴うのれん償却や米国市場の正常化にかかるコストを保守的に織り込んだものと考えられます。
財務の健全性
通期末(2026年1月31日時点)の財務状況です。
- 総資産: 約5兆67億円(前期末4兆8,088億円から増加)
- 純資産: 約2兆1,882億円
- 自己資本比率: 42.7%(前期末40.8%)
- 1株当たり純資産: 3,300.57円(前期末3,027.64円)
- EPS(1株当たり利益): 358.07円
- ROE(自己資本利益率): 11.3%
自己資本比率42.7%は住宅・建設業界として非常に高い水準で、財務の健全性が確認できます。営業キャッシュ・フロー(本業で稼いだ現金)も216,325百万円と大幅に改善しています(前期比+約2.5倍)。
今後の見通し|MDC統合と国内住宅需要の維持が鍵
積水ハウスの今後の方向性は次の3点です。
① 米国事業(MDC)の統合安定化:M.D.C. Holdingsの買収効果を最大化するため、事業統合と収益改善を進めています。米国の住宅金利動向が回復すれば、大きな収益貢献が期待できます。
② 国内ストック事業の成長:リフォームや管理・仲介など既存の住宅に関連するサービス(ストック型事業)は景気変動の影響を受けにくく、安定した収益源として成長しています。
③ 環境・サステナビリティ戦略:ZEH(ゼロエネルギーハウス)や「ネット・ゼロエネルギー住宅」など環境配慮住宅の普及を推進し、ブランド価値の向上と住宅需要を取り込んでいます。
まとめ
積水ハウス(1928)の2026年1月期通期は、売上高4.2兆円・純利益2,321億円と増収増益を達成し、14期連続増配(年間144円)も確定しました。米国事業の急拡大で売上規模は拡大していますが、のれん償却費や住宅ローン金利の影響で次期純利益は慎重な見通しです。長期的な連続増配の実績と財務の健全性が際立つ銘柄です。
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