2025年10月10日、**クミアイ化学工業(4996)**が発表した決算見通しが、投資家の間で話題になりました。
なんと、利益が大きく減ってしまうことと、**配当金が減る(減配)**ことが同時に発表されたのです。
この記事では、クミアイ化学の現状と今後の見通しを、株初心者や中学生でもわかるようにやさしく解説します。
クミアイ化学は、農家さんが使う「農薬」をつくっている会社です。
JA(農協)と関係が深く、日本全国の農家に商品を届けています。
また、アメリカやブラジルなど海外にも展開しているグローバル企業です。
会社が発表した最新の業績予想は、次のようになりました。
| 項目 | 前回予想 | 今回修正後 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,593億円 | 1,690億円(+6%) | 売上は好調! |
| 営業利益 | 104億円 | 100億円(−4%) | 少し減益 |
| 経常利益 | 145億円 | 105億円(−28%) | 大幅減益 |
| 最終利益 | 109億円 | 35億円(−68%) | かなり減益! |
見た目は売上が増えているのに、利益は3分の1以下になっています。
これは「除草剤の値下げ」「為替の損失」「工場の減損(設備の価値が下がった)」などが原因です。
クミアイ化学はこれまで「安定配当」が人気でしたが、今回は減配を発表しました。
| 年 度 | 年間配当 | 当時の株価目安 | 配当利回り | コメント |
|---|---|---|---|---|
| 2021年 | 30円 | 約720円 | 4.2% | コロナ明けで業績回復。高配当バリュー株として注目。 |
| 2022年 | 32円 | 約850円 | 3.8% | 海外販売が伸び、安定した配当を維持。 |
| 2023年 | 34円 | 約1,000円 | 3.4% | 過去最高益水準。増配が続き、株価も高値圏。 |
| 2024年 | 34円 | 約950円 | 3.6% | 為替・原料高の影響も堅調。前年と同配当を維持。 |
| 2025年 | 22円 | 756円 (10月11日時点) | 2.9% | 減益・減配で利回り急低下。高配当の魅力は一時後退。 |
つまり、配当が約35%も減ったため、配当目的の投資家にはショックが大きい発表でした。
2025年10月11日時点での株価は756円(前日比−7%)と急落しています。
過去5年のPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)は次のとおりです。
| 年 度 | PER | PBR | 配当利回り |
|---|---|---|---|
| 2021年 | 11倍 | 0.65倍 | 4.2% |
| 2022年 | 13倍 | 0.72倍 | 3.8% |
| 2023年 | 16倍 | 0.79倍 | 3.4% |
| 2024年 | 14倍 | 0.83倍 | 3.6% |
| 2025年(今回) | 26倍 | 0.80倍 | 2.9% |
表で見ると、PER(株の割高さ)だけが急に上がっているのが特徴です。
これは利益が減ったからで、株価が特別高くなったわけではありません。
逆にPBR(資産に対する株価)は0.8倍と低く、資産的にはまだ割安といえます。
ここ数年、世界では気候変動の影響で虫や病気が増えており、農薬の需要は安定しています。
ただし、環境にやさしい農薬(低毒性やバイオ系)への切り替えが進んでいて、
古いタイプの農薬を作る会社は苦戦しています。
クミアイ化学も研究開発に力を入れていますが、
新しい時代の流れにどこまで対応できるかが、今後のカギになります。
今は株価が下がっていますが、すぐに買い増しをするのはまだ早い段階です。
なぜなら、会社の利益が回復する見通しがまだはっきりしていないからです。
とはいえ、会社の財務は健全で、倒産などの心配はありません。
株価がもう少し下がって700円以下(PBR 0.7倍程度)になれば、
「長期で応援したい人」が少しずつ買い増してもよいタイミングになるでしょう。
・クミアイ化学は、売上は伸びているのに利益が大きく減った
・減配(34円 → 22円)で配当利回りも2.9%に低下
・株価は下落中(756円)だが、PBRは0.8倍でまだ割安
・世界の農薬市場は安定しており、長期では回復期待あり
・ただし、今は様子見。株価が700円前後で下げ止まるか注目!
ポイント
クミアイ化学は「短期的に苦しいけれど、長期では立て直しのチャンスがある会社」。
株価が安いからといって焦って買うより、次の決算(2026年10月期)の見通しを見て判断するのが安心です。

じゃぁね~ バイバイ~♪

