2026年4月27日、ヒューリック株式会社(証券コード:3003)が2026年12月期 第1四半期(2026年1月〜3月)の決算短信を発表しました。売上高は前の年の同じ時期より44.8%も増えて好調な一方、営業利益はわずかに減少。でも最終的な利益(純利益)はしっかりプラスになりました。それぞれの数字を、順番に見ていきましょう。
この会社、何をしてるの?
ヒューリックは、東京都内を中心に多くの「ビルや不動産」を保有・運営している総合不動産会社です。とくに東京23区の駅から近い場所に約250件のオフィスビルや商業施設を持っており、テナント(お店や企業)に貸し出すことで安定した家賃収入を得ています。
不動産の賃貸だけにとどまらず、ビルを建て替えて価値を上げる「開発・建替事業」や、旅館・ホテルの運営(「ふふ」シリーズや「THE GATE HOTEL」シリーズなど)、保険代理店事業、さらには学習塾(リソー教育グループ)や再生可能エネルギー事業まで手掛けています。不動産業界の中でも「駅近・好立地」にこだわったポートフォリオ(資産の組み合わせ)が強みで、東京の都市開発にも深く関わっています。
2026年1Qの業績サマリー
| 項目 | 2026年1Q | 2025年1Q | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上高(営業収益) | 2,268億円 | 1,566億円 | +44.8% |
| 営業利益 | 311億円 | 318億円 | △2.0% |
| 経常利益 | 269億円 | 280億円 | △3.6% |
| 四半期純利益(親会社帰属) | 181億円 | 171億円 | +5.6% |
| 1株当たり純利益 | 23.89円 | 22.57円 | +5.8% |
売上高が前年比で約700億円以上増えているのに、営業利益が少し減っているのは、コスト(のれんの償却額(過去に会社を買収したときの差額を少しずつ費用化するもの)が約5倍に急増)が増えたためです。ただ、最終利益は+5.6%と増益を確保できており、事業の実態は堅調です。
注目ポイント①:不動産事業が圧倒的な稼ぎ頭
最も規模が大きいセグメント(事業部門)は「不動産事業」です。2026年1Qの不動産事業の売上高は1,913億円(前年比+43.4%)、営業利益は385億円(+15.4%)。2025年度に竣工・取得した物件による賃貸収入の積み上げに加え、「ヒューリックみなとみらい」「ヒューリック府中タワー」などの販売用不動産の売却も順調に進みました。
また、銀座・渋谷・新宿などで複数の大型開発計画が進行中で、今後もポートフォリオの充実が見込まれます。東京都との共同開発(PPP事業)として「渋谷一丁目地区共同開発事業」も順調に進行中です。
注目ポイント②:ホテル・旅館事業はインバウンド好調で2ケタ増収益
「ふふ」「THE GATE HOTEL」など旅館・ホテルを運営するホテル・旅館事業は、売上高168億円(前年比+13.5%)、営業利益20億円(+10.7%)と2ケタ成長。外国からの旅行者(インバウンド需要)が引き続き旺盛で、宿泊料金の単価が上昇したことが主な要因です。
今後の見通し
2026年12月期(通期)の業績予想に変更はありません。「当第1四半期の業績は概ね計画通りに推移している」と会社は発表しており、年間を通じた計画達成に向けて順調なスタートを切っています。銀座・青山・新宿など東京都心の複数の大型開発プロジェクトが竣工に向けて進んでおり、完成後は賃貸収入の底上げが期待できます。一方で、のれんの償却額が急増していることや、「その他セグメント」で営業損失が続いている点は今後も注視が必要です。
まとめ
ヒューリックの2026年1Q決算は、売上高が前年比44.8%増と力強く拡大し、最終利益も増益を確保した好調な滑り出しでした。東京都心の好立地物件を武器に、不動産賃貸・開発・ホテルなど多角的な事業を展開しており、通期計画の達成も視野に入っています。
本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を行うものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

