りそなホールディングス(証券コード:8308)が2026年1月30日に発表した2025年度(2026年3月期)第3四半期決算についてまとめました。経常利益は前年同期比31.6%増の3,125億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は31.3%増の2,221億円と大幅な増益となりました。日本銀行の利上げを追い風に資金利益が拡大したことが主な要因で、通期業績目標を当初の2,400億円から2,500億円へ上方修正しました。配当予想も前年の25円から29円へ増額を予定しています。
この会社、何をしてるの?
りそなホールディングスは、りそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行などを傘下に持つ銀行グループです。「持ち株会社(ホールディングス)」とは、たくさんの銀行をまとめてコントロールする親会社のことです。主な事業は個人・法人への預金・融資(お金を貸すこと)、資産運用の相談、住宅ローン、相続・承継サービスなどの金融サービスです。関東・関西を中心に強い地盤を持つ、地域密着型の総合金融グループです。
2025年度第3四半期(4月〜12月)の業績まとめ
| 項目 | 2024年度3Q | 2025年度3Q | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 経常収益 | 8,095億円 | 9,656億円 | +19.3% |
| 経常利益 | 2,375億円 | 3,125億円 | +31.6% |
| 親会社帰属四半期純利益 | 1,692億円 | 2,221億円 | +31.3% |
| 1株あたり純利益(EPS) | 73.15円 | 97.46円 | +33.2% |
日本銀行による利上げの恩恵を大きく受けた決算となりました。銀行はお金を預かって貸し出すことで収益を得ていますが、金利(利子の割合)が上がると「貸し出し金利」も上がり、稼ぎやすくなります。特に日銀預け金利息が617億円(前年比+360億円)と大幅に増加したことが全体の増益をけん引しました。会社が独自に重視する「コア業務純益(本業の実力利益)」は2,630億円(+32.6%)と、こちらも非常に好調です。
注目ポイント①:日銀利上げが追い風―資金利益が大幅拡大
| 資金利益の内訳 | 2025年度3Q | 前年比 |
|---|---|---|
| 国内預貸金利益 | 2,996億円 | +421億円 |
| 円債利息等 | 369億円 | +97億円 |
| 日銀預け金利息 | 617億円 | +360億円 |
日本銀行は2024年〜2025年にかけて政策金利を段階的に引き上げています(利上げ)。2025年12月にも利上げを実施したことが、今期の資金利益拡大に大きく貢献しました。日銀に預けているお金(日銀預け金)への利息が前年比360億円増と、最も大きな押し上げ要因となっています。また、事業法人向け貸出残高は22.4兆円(前年比+5.5%)と順調に伸びており、自己居住用住宅ローンの実行額(4月〜12月)も過去最高水準を記録しています。
注目ポイント②:通期業績目標を上方修正・2,500億円(ROE 8.8%)へ
| 項目 | 期初目標 | 修正後目標 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 親会社帰属当期純利益 | 2,400億円 | 2,500億円 | +100億円 |
| ROE | 8.4% | 8.8% | +0.4pt |
| コア業務純益 | 3,350億円 | 3,485億円 | +135億円 |
通期純利益目標を当初の2,400億円から2,500億円へ+100億円の上方修正を発表しました。主な理由は2025年12月の日銀利上げによる資金利益の上振れです。3Q累計純利益2,221億円に対して、修正前の通期目標2,400億円比の進捗率は92.5%と非常に高水準です。修正後の2,500億円に対しても88.8%の進捗率を確保しており、通期達成は十分に見込まれます。
注目ポイント③:配当29円・コスト削減も着実に進展
| 年度 | 中間配当 | 期末配当 | 年間合計 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年度(実績) | 11.50円 | 13.50円 | 25.00円 | ─ |
| 2025年度(予想) | 14.50円 | 14.50円 | 29.00円 | +4.00円 (+16%) |
年間配当は29円と前年の25円から4円(+16%)の増配予定で、中間配当14.50円はすでに実施済みです。コスト面でも大きな改善が見られます。経費率(収益に対する費用の割合)は57.4%と前年同期比6.3ポイントの大幅な改善となりました。また、政策保有株式(持ち合い株)の削減も進め、今期は上場分取得原価ベースで152億円を削減、売却益625億円を計上しました。
今後の見通し
2025年度通期(2026年3月期)は親会社帰属当期純利益2,500億円(前年比+17.2%)、ROE8.8%を目標とします。日銀がさらなる利上げを進めれば追加の資金利益拡大が見込まれ、プラスの影響があります。一方、急激な金利上昇や景気悪化が生じた場合は与信費用(貸したお金が返ってこないリスクのための引当金)の増加が懸念されるため、会社は「予兆管理の強化」を掲げて注視しています。中長期的には、資産運用(AUM:預かり資産残高)の拡大や相続・承継ビジネスなど「フィー収益(手数料収入)」の強化も重要なテーマとして取り組んでいます。
まとめ
りそなHDの2025年度Q3決算は、日銀の利上げを最大限に活かした大幅な増益となりました。純利益は前年同期比31%増の2,221億円、通期目標も2,500億円へ上方修正と、好調な内容が続いています。配当も16%増の29円へ増額、コスト効率化も着実に進んでおり、金利環境の恩恵を受けながら堅調な成長を続けています。
本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を行うものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

