こんにちは。今回は、パンやパスタでおなじみの「マ・マー」ブランドを持つ
日清製粉グループ本社(2002・東証プライム) の最新決算を、
中学生でもスッと理解できるようにまとめました。
「日清」と聞くとカップヌードルを思い出すかもしれませんが、
それは「日清食品」です。
今回の「日清製粉グループ」は、小麦粉の専門会社です。
でも今では小麦粉だけでなく、
・パスタ「マ・マー」やパスタソース
・冷凍食品やお弁当
・パンをふくらませる酵母(イースト)
・健康食品
など、食卓に欠かせないものをたくさん作る「食の総合グループ」に成長しています。
| 項目 | 金額 | 前年比 | かんたんに言うと |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,313億円 | +0.4% | 売上はほぼ変わらず |
| 営業利益 | 226億円 | ▲13% | 本業のもうけが減った |
| 経常利益 | 248億円 | ▲8% | 為替の影響もあり減益 |
| 最終利益 | 103億円 | ▲49% | 利益は半分に減った |
つまり「売上は安定しているけど、利益が少なくなった」決算でした。
①インドのパン酵母(イースト)事業が赤字
インドにあるグループ会社の工場で、パンをふくらませる酵母を作っています。
インドではパンの需要が増えているので期待されていましたが──
・原料や燃料の値段が高止まり
・ライバルが多くて値上げができない
・新商品の販売も遅れた
などの理由でうまくいかず、工場の価値を見直して87億円の損失を計上しました。
でも会社は「インドの未来は明るい!」と考えており、
2026年度には黒字化できる見通しです。
②新しい工場「水島工場」のスタート費用
古い岡山・坂出工場を閉じて、
最新の自動化工場「水島工場」が2025年5月に動き始めました。
この工場はAIやロボットを使って、ほぼ自動で小麦粉をつくる「スマート工場」。
立ち上げのための費用がかかりましたが、
今後は人手とコストを大幅に減らせる見込みです。
③海外事業での苦戦
・オーストラリア:インフレでパン需要が減り、出荷が落ちた
・アメリカ:新しい工場は好調だが、コスト高
・メッシュクロス事業(太陽光パネル用の金属網):新仕様への切り替えで販売が一時減少
これらも利益減の原因でした。
会社は「下半期で巻き返す」としています。
7〜8月に実施した価格改定(値上げ)が、これから効果を発揮するためです。
| 項目 | 通期予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 8,700億円 | +2% |
| 営業利益 | 470億円 | +1% |
| 経常利益 | 500億円 | +2% |
| 最終利益 | 300億円 | ▲13% |
→ 一時的な損失を除けば、事業は安定していることがわかります。
・年間配当:1株60円(5円増配)
・自社株買い:200億円分(1,500万株)を実施
株主にお金を返す「還元策」が強化されています。
会社は「長く応援してくれる人を大切にしたい」という姿勢を示しています。
| 部門 | 内容 | 今後のポイント |
|---|---|---|
| 製粉 | 新しい水島工場で効率アップ | コスト削減に期待 |
| 食品(パスタなど) | 「マ・マー」のリニューアル+大谷翔平選手CM効果 | ブランド力強化 |
| 中食・惣菜 | トオカツフーズ中心に堅調 | 新しい冷凍食品工場を建設予定 |
| メッシュクロス | 太陽光パネル向けが一時不調 | 新製品で下期回復へ |
| インドイースト | 減損計上で赤字 | 2026年度に黒字化を目指す |
日本では小麦の多くを海外から輸入していて、
その価格は政府が半年ごとに改定しています。
最近はTPPや日米・日EU協定の影響で、
輸入小麦の関税が下がり、海外製品との競争が激しくなっています。
だから日清製粉グループは、
自動化・コスト削減・高付加価値商品で勝負しているのです。
・今年はインド事業の損失で一時的な減益
・でも、新工場・値上げ・コスト改善で下期から回復へ
・株主にもやさしく、配当と自社株買いで還元
・将来を見据えた投資と改革が進んでいる
パンやパスタの裏側では、
日清製粉グループが「食を支える工場の進化」と「グローバル展開」を同時に進めています。
短期的には波がありますが、
“安定した成長を続ける食のインフラ企業”といえるでしょう。
この記事のまとめ
売上は安定、利益は一時的に減少。
でも、新しい工場と海外の改善で、これから回復が期待できる。
食品を支える「縁の下の力持ち」企業です!

じゃぁね~ バイバイ~♪

