2026年2月4日、総合金融グループのSBIホールディングス株式会社(証券コード:8473)が2026年3月期 第3四半期(Q3)の決算を発表しました。Q3累計(2025年4月〜12月)の親会社帰属純利益は前年同期比+245.1%と、3倍以上という驚異的な増益を達成。収益(売上にあたる金額)も+47.0%と大幅に拡大しました。また2025年12月1日には株式分割(1株→2株)を実施しており、個人投資家が買いやすくなっています。
この会社、何をしてるの?
SBIホールディングスは、「ネット金融の雄」として知られる日本最大級の総合金融グループの持株会社(グループ全体を管理する会社)です。傘下には証券最大手のSBI証券(株や投資信託を売買できる会社)、住信SBIネット銀行(ネット銀行)、SBI損保・SBI生命(保険会社)など幅広い金融会社を持っています。さらに未上場企業への投資(PE投資)や暗号資産(仮想通貨)事業など、常に新しい金融分野に進出する成長志向の強い企業グループです。
2026年3月期Q3累計(2025年4月〜12月)の業績サマリー
| 指標 | 2026年3月期Q3累計 | 2025年3月期Q3累計 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 収益(売上) | 1兆4,897億円 | 1兆134億円 | +47.0% |
| 税引前利益 | 4,333億円 | 1,794億円 | +141.6% |
| 四半期利益 | 3,432億円 | 1,298億円 | +164.4% |
| 親会社帰属純利益 | 3,491億円 | 1,012億円 | +245.1% |
| 1株当たり利益(EPS) | 546.54円 | 167.33円 | — |
注目ポイント①|純利益+245%の驚異的増益、全セグメント好調
Q3累計の親会社帰属純利益は3,491億円で、前年同期比+245.1%と約3.5倍の急増です。これは過去最高水準の利益です。
セグメント(事業部門)別の税引前利益は以下のとおりです。
| セグメント | 主な事業内容 | Q3累計税引前利益 | 前期比(収益) |
|---|---|---|---|
| 金融サービス事業 | SBI証券・SBI銀行・保険 | 3,213億円 | +40.1% |
| PE投資事業 | 未上場企業への投資 | 952億円 | +160.7% |
| 資産運用事業 | 投資信託・ファンド運営 | 56億円 | +15.4% |
中核の金融サービス事業が3,213億円の税引前利益を稼ぎ、PE投資事業が収益+160.7%と急拡大しています。証券取引の増加(株式市場の活況)と投資先企業の売却益(エグジット)が利益を大きく押し上げました。
注目ポイント②|通期業績予想は「非開示」—その理由とは
SBIホールディングスは、通期(2025年4月〜2026年3月)の業績予想を毎期非開示としています。
これはSBIグループが展開する証券・投資事業が、株式市場や金融市場の動きに業績が大きく左右されるためです。株価が急落すれば証券売買手数料(手数料収入)が減り、投資先の評価額も下がります。このような不確実性が大きい事業では、予想を出しても外れるリスクが高いため、非開示という方針を取っています。
ただし、Q3累計の純利益3,491億円という実績は非常に高水準で、通期での高い利益水準が期待されます。
注目ポイント③|株式分割(1→2株)と配当状況
2025年12月1日付で、SBIホールディングスは1株を2株に分割する株式分割を実施しました。株式分割(株式のぶんかつ)とは、1枚の株を複数枚に分ける仕組みで、1枚あたりの株価が下がるため、個人投資家が買いやすくなります。
| 期 | 中間配当 | 期末配当 | 年間合計 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月期(実績・分割前) | 30円 | 140円 | 170円 |
| 2026年3月期(予想・分割後) | 40円(実績) | 未定 | — |
中間配当40円はすでに支払い済みです。期末配当は現時点で未定ですが、前期の期末配当(分割前140円→分割後換算70円)を踏まえると、引き続き高水準の配当が期待されます。
財務の健全性
Q3末(2025年12月31日時点)の財務状況です。
- 資産合計: 約37兆2,397億円(前期末比+16.0%増加)
- 資本合計(純資産): 約2兆305億円
- 親会社帰属持分: 約1兆7,359億円
- 親会社所有者帰属持分比率: 4.7%(前期末3.9%)
持分比率(自己資金の割合)が4.7%と低めですが、これは金融グループ特有の構造です。SBI証券・住信SBIネット銀行などの金融会社は、顧客の預金や証券代金などを多額に抱えるため、資産合計が大きくなり、比率が低くなります。これは金融業界では標準的な水準です。
今後の見通し|金融DXとグローバル展開が次の成長ドライバー
SBIホールディングスの今後の成長戦略は次の3点です。
① デジタル金融の深化:SBI証券の手数料ゼロ化(2023年10月から国内株式売買手数料を無料化)により、顧客数が急増しています。より多くの顧客から多様な金融サービスの収益を得る戦略が実を結んでいます。
② PE投資・スタートアップ投資の拡大:未上場企業(スタートアップ)への投資と、その会社が大きくなった後に売却して利益を得る「PE投資事業」が急拡大しており、今後も成長が期待されます。
③ 海外・アジア展開:東南アジアをはじめとする新興国市場でのデジタル金融サービス展開を進めており、国内市場を超えた成長を目指しています。
まとめ
SBIホールディングス(8473)の2026年3月期Q3は、純利益+245.1%という驚異的な増益を達成しました。金融サービス事業の安定成長にPE投資事業の急拡大が加わり、グループ全体で過去最高水準の利益を計上しています。株式分割で買いやすくなった一方、通期業績予想は非開示のため今後の動向に注目が必要です。
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