フラッシュ構造の建具を製造するニホンフラッシュ(証券コード:7820)が2026年5月15日に2026年3月期の通期決算を発表しました。前期(2025年3月期)に中国事業に絡む特別損失を計上して大幅赤字となっていましたが、今期は一転して黒字転換。経常利益は前期比+84.8%と大きく回復しました。一方、来期(2027年3月期)は構造改革の継続などを見込み減収・減益を予想しています。
この会社、何をしてるの?
ニホンフラッシュは、「フラッシュ構造」という独自技術で建具(主に室内ドア)を製造・販売している建材メーカーです。フラッシュ構造とは、枠組みに薄い板を貼り付けた中空構造で、軽量・低コストながら強度もある点が特徴です。住宅や集合住宅向けを中心に、ゼネコン・ハウスメーカーへの納品が主な収益源となっています。
製造拠点を中国に持ち、中国で生産した製品を日本に輸出するビジネスモデルです。そのため、為替(円安)や中国現地の市況・コスト動向が業績に大きく影響します。ここ数年は国内建設需要の鈍化と中国コスト上昇が重なり、2022年のピーク(経常利益54億円)から急速に業績が悪化してきました。
業績サマリー(2026年3月期)
| 項目 | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 234億5,600万円 | ▲2.2% |
| 営業利益 | 17億4,500万円 | +125.2% |
| 経常利益 | 20億3,700万円 | +84.8% |
| 当期純利益 | 14億1,500万円 | 黒字転換(前期▲27.9億円) |
| 1株当たり利益(EPS) | 62.18円 | 黒字転換(前期▲122.71円) |
| 1株当たり配当 | 36円 | 維持 |
| 自己資本比率 | 71.7% | +0.3pt |
注目ポイント①:前期赤字から一転、黒字転換を達成
前期(2025年3月期)のニホンフラッシュは、中国事業に関連した特別損失の計上により、当期純利益が▲27.9億円という大幅な赤字を記録していました。しかし今期は、その特別損失の一過性要因が消え、さらに中国事業の収益性の改善と貸倒引当金の減少が業績に貢献。経常利益は前期比+84.8%の20億3,700万円と大きく回復し、当期純利益も14億1,500万円の黒字に転換しました。
売上高は234億5,600万円(▲2.2%)と若干の減収が続いていますが、コスト構造の改善が着実に進んでいます。営業利益率も3.2%(前期)から7.4%に回復しており、「稼ぐ力」が戻ってきたことがわかります。
注目ポイント②:来期は再び減益予想、構造改革は継続課題
今期の回復は明るいニュースですが、来期(2027年3月期)の業績予想はやや慎重です。売上高210億円(▲10.5%)、経常利益14億5,000万円(▲28.8%)、当期純利益9億円(▲36.4%)と大幅な減収・減益を見込んでいます。中国事業の構造改革を継続しながら安定した収益基盤を構築する方針ですが、国内建設需要の鈍化や競争激化が引き続き逆風となりそうです。配当は36円を維持する予定です。
来期(2027年3月期)の業績予想
| 項目 | 2027年3月期(予想) | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 210億円 | ▲10.5% |
| 営業利益 | 14億円 | ▲19.8% |
| 経常利益 | 14億5,000万円 | ▲28.8% |
| 当期純利益 | 9億円 | ▲36.4% |
| 1株当たり配当 | 36円 | 維持 |
まとめ
- 前期の特別損失(中国事業)が一過性となり、今期は黒字転換を達成
- 経常利益+84.8%・営業利益+125.2%と収益性は大幅回復
- 売上は2022年ピーク(331億円)から約3割減と、縮小が続く
- 来期は再び減収・減益予想で、構造改革の進捗が引き続き鍵
- 配当は36円を維持。自己資本比率71.7%と財務基盤は安定
建材業界は国内の新設住宅着工件数の減少というトレンドの中、コスト競争力と中国事業のリストラが経営の焦点になっています。今期の回復は評価できますが、来期の減益予想をどう受け止めるかがポイントになりそうです。
※本記事は公開情報をもとに作成した情報提供を目的としたものです。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。
