産業用ロボットの株式会社FUJI(6134)が、2026年8月3日に2027年3月期の第1四半期(4〜6月)決算を発表しました。売上高は前の年の同じ時期より45.9%増え、営業利益は約2.9倍になりました。同じ日に、通期(1年間)の業績予想も大きく引き上げています。
この会社、何をしてるの?
FUJIは愛知県に本社を置く機械メーカーです。主力は「電子部品実装ロボット」。スマートフォンやパソコンの中に入っている基板(部品を並べて配線した板)に、米粒より小さな部品を高速で正確に貼り付けていく機械です。この分野では世界でも上位のシェアを持っています。
主力機種は、必要な機能を後から足せる「NXTR(エヌエックスティーアール)」と、一台でまとめてこなす「AIMEXR(エイメックスアール)」です。工場を自動化したい電機メーカーが主なお客さんになります。
もう一つの柱が「マシンツール事業」で、金属を削る工作機械(旋盤など)を作っています。そのほか、荷物の受け渡しに使うスマートロッカー「Quist」、介護の現場で人を移す作業を助ける「Hug」など、ロボット技術を応用した製品も広げています。
業績サマリー
| 項目 | 前年同期 | 今回1Q | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 415億円 | 606億円 | +45.9% |
| 営業利益 | 51億円 | 152億円 | +192.6% |
| 経常利益 | 56億円 | 158億円 | +182.0% |
| 純利益 | 56億円 | 126億円 | +122.1% |
※純利益は「親会社株主に帰属する四半期純利益」です。金額は億円未満を四捨五入しています。

売上高(商品やサービスを売って得たお金の合計)は606億円、営業利益(本業で稼いだ利益)は152億円でした。営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は前年同期の12.5%から25.1%へと大きく改善しています。売上の伸び以上に利益が伸びており、もうけの効率が上がったことがうかがえます。
注目ポイント①:AIサーバー向けの設備投資が追い風
主力のロボットソリューション事業は、売上高586億円(前年同期比52.5%増)、営業利益165億円(同167.2%増)と大きく伸びました。会社の説明では、タイやベトナムを中心としたアジアでAIサーバー関連やスマートフォン向けの設備需要が高い水準で続き、北米では通信インフラ関連や車載関連が伸びたとのことです。
一方、マシンツール事業は自動車関連の設備投資が低調で、売上高13億円(同48.6%減)、1億8千万円の営業損失となりました。ただし規模が小さいため、会社全体ではロボット事業の好調がこれを大きく上回っています。
注目ポイント②:通期予想を大幅に引き上げ
同じ日に発表された「業績予想の修正に関するお知らせ」で、2027年3月期の通期予想が引き上げられました。
| 項目 | 前回予想 | 今回予想 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,110億円 | 2,440億円 | +15.6% |
| 営業利益 | 436億円 | 600億円 | +37.6% |
| 経常利益 | 443億円 | 611億円 | +37.9% |
| 当期純利益 | 330億円 | 440億円 | +33.3% |

前期(2026年3月期)の実績は売上高1,806億円・営業利益292億円・当期純利益157億円でしたので、今回の予想どおりに進めば営業利益は約2倍になる計算です。会社は修正の理由として、AIサーバー関連の設備需要が高い水準で続く見通しであることと、北米向けの需要が拡大していることを挙げています。
なお1Qの営業利益152億円は、引き上げ後の通期予想600億円に対して約25%の進捗です。
配当と財務
2027年3月期の年間配当(利益の一部を株主に分ける仕組み)の予想は1株190円で、前期の90円から2倍以上になる計画です。この配当予想は今回変更されていません。自己資本比率(総資産のうち返さなくてよいお金の割合)は83.4%と非常に高く、財務の安全性は保たれていると考えられます。
まとめ
1Qは営業利益が約2.9倍、通期予想も大幅に引き上げという明るい内容でした。ただし、けん引役はAI関連の設備投資という、変動の大きい需要です。会社自身も地政学リスクによる不透明さに触れており、この勢いが来期以降も続くかどうかは慎重に見ていく必要がありそうです。
本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を行うものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
出典:株式会社FUJI「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年8月3日開示)、同「業績予想の修正に関するお知らせ」(2026年8月3日開示)

