りそなホールディングス(証券コード8308)が、2027年3月期の第1四半期(2026年4月〜6月)の決算を発表しました。同じ日に、通期の利益目標の上方修正と、最大500億円の自社株買いも公表しています。中身をやさしく見ていきます。
この会社、何をしてるの?
りそなホールディングスは、りそな銀行・埼玉りそな銀行・関西みらい銀行などを傘下に持つ金融グループの持株会社(グループ全体をまとめる親会社)です。メガバンクと地方銀行の中間にあたる規模で、首都圏と関西圏に店舗が集まっているのが特徴です。もうひとつの特色が信託業務(お客さまの財産を預かって管理・運用する仕事)で、相続や不動産の相談にも対応できる「信託併営」の銀行として知られています。個人のお客さま向けの取引が多く、住宅ローンや資産運用の相談が収益の柱のひとつになっています。
業績サマリー
| 項目 | 前年同期 | 今回 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 経常収益 | 3,001.08億円 | 3,599.82億円 | +20.0% |
| 経常利益 | 974.01億円 | 1,162.03億円 | +19.3% |
| 四半期純利益 | 705.30億円 | 805.26億円 | +14.2% |
| 1株当たり四半期純利益 | 30.77円 | 35.79円 | +16.3% |

増益を引っ張ったのは「金利のある世界」
伸びの中心にあるのは資金利益(お金を貸して受け取る利息から、預金などに払う利息を引いた、銀行の本業のもうけ)です。
| 項目 | 前年同期 | 今回 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 資金運用収益 | 1,821.01億円 | 2,351.54億円 | +29.1% |
| うち貸出金利息 | 1,254.39億円 | 1,651.53億円 | +31.7% |
| 資金調達費用 | 510.54億円 | 720.15億円 | +41.0% |
| うち預金利息 | 307.87億円 | 480.45億円 | +56.0% |

貸出金から受け取る利息が31.7%増える一方、預金に払う利息も56.0%増えました。差し引きした資金利益は1,631億円で、前年同期の1,310億円から24.5%の増加です。日本銀行が金利を引き上げたことで、銀行は貸出の金利を上げられる半面、預金者に払う利息も増えます。それでも受け取る側の増え方が上回った、という構図です。役務取引等収益(投資信託や保険の販売、振込などの手数料収入)も696.51億円と9.0%増えました。
部門別に見ると、個人部門の業務粗利益(部門ごとの収益から費用の一部を引いたもうけ)は1,467.93億円と前年同期の1,049.77億円から大きく伸び、法人部門も1,381.13億円へ増えています。市場部門は550.59億円のマイナスですが、これは部門どうしで収益を振り替える「仕切りレート」の変更による影響498.07億円が含まれているためで、グループ内部のやり取りが数字を押し下げている点には注意が必要です。
通期目標を3,300億円に引き上げ、自社株買いも
会社は同じ日に、2027年3月期の通期の純利益目標を3,100億円から3,300億円へ、200億円(6%)引き上げました。理由として、第1四半期までの業績が堅調なことに加え、2026年6月の日銀の利上げによって資金利益が当初の計画を上回る見込みであることを挙げています。修正後の目標は前期比27.6%増で、第1四半期の805.26億円は目標に対して24.4%の進み具合です。
さらに、上限3,000万株(自己株式を除く発行済株式の1.34%)・500億円の自社株買いも決めました。取得期間は2026年8月3日から2027年1月31日までです。自社株買いは、市場に出回る株数を減らして1株当たりの価値を高める狙いがあります。配当(株主に利益を分け合うお金)は中間18.5円・期末18.5円の年間37円の予想で据え置かれ、前期の年間29円から8円の増配となる計画です。
まとめ
りそなHDの1Qは、金利の上昇を追い風に資金利益が伸び、経常利益・純利益ともに二桁の増加となりました。通期目標の上方修正と自社株買いの発表も重なり、株主への還元姿勢が示された四半期といえます。一方で預金に払う利息の伸びも大きく、今後は「受け取る側」と「払う側」のバランスがどう動くかが見どころになりそうです。
本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を行うものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。(出典:株式会社りそなホールディングス「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」「2027年3月期 連結業績目標の修正に関するお知らせ」「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」いずれも2026年7月31日開示)

