損害保険・生命保険を手がける大手保険グループ、東京海上ホールディングス(証券コード:8766)が2026年5月20日に2026年3月期の決算を発表しました。収益(売上に相当する経常収益)は前期比5.1%増と堅調でしたが、利益面は減益となりました。一方で配当は大幅増配と、明暗が交差する決算でした。
この会社、何をしてるの?
東京海上ホールディングスは、国内最大手の損害保険会社「東京海上日動火災保険」を中核に、生命保険・海外保険など幅広い保険事業を展開するグループ会社です。
損害保険(損保)とは、火災や交通事故など「突然起きた損害」に備えるための保険のことです。車で事故を起こしたときに出るお金や、家が燃えたときの補償がこれにあたります。東京海上日動は国内損保でトップクラスのシェアを誇り、アメリカやアジアなど海外でも事業を大きく広げています。
業績サマリー(2026年3月期)
| 項目 | 実績 | 前期比 |
|---|---|---|
| 経常収益(売上に相当) | 8兆8,722億円 | +5.1% |
| 経常利益(本業の利益) | 1兆3,486億円 | -7.6% |
| 当期純利益(最終利益) | 9,804億円 | -7.1% |
| 正味収入保険料 | 5兆5,663億円 | +4.9% |
| 1株当たり配当金 | 218円 | +46円(前期172円) |
注目ポイント①|収益は増えたのに利益は減った理由
収益(経常収益)は前期比5.1%増と伸びましたが、利益(当期純利益)は7.1%減となりました。収益が増えたのは正味収入保険料(保険料収入)が前期比4.9%増えたことが主な要因です。しかし国内損害保険事業でコストや保険金の支払いが増えたことで利益が圧迫されました。
海外保険事業は増益となり、国内の減益の一部をカバーしましたが、全体の利益を押し上げるには至りませんでした。「売上は伸びたけど費用も増えて手元に残る利益が減った」というイメージです。
注目ポイント②|大幅増配で株主へ積極還元
配当金(株主への利益の分配)は、前期の172円から218円へと46円もの大幅増配となりました。増配率はおよそ27%で、配当性向(利益のうち配当に充てる割合)は42.3%です。
さらに翌期(2027年3月期)の配当予想も245円と、引き続き増配の方針を示しています。利益が減少する中でも株主への還元を重視する姿勢が伝わります。
来期(2027年3月期)の見通し
| 項目 | 会社予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 経常収益 | 8兆7,519億円 | -1.4% |
| 当期純利益 | 8,300億円 | -15.3% |
| 1株当たり配当金 | 245円 | +27円 |
来期は収益・利益ともに前期比マイナスの保守的な予想が示されています。世界的な自然災害の増加や為替変動(円高になると海外事業の円換算利益が減る)などが不確実な要因として挙げられます。
まとめ
- 2026年3月期は増収(+5.1%)も、当期純利益は減益(-7.1%)
- 配当は218円と前期比+46円の大幅増配。来期も245円へ増配予定
- 来期(2027年3月期)の純利益予想は前期比-15.3%と保守的な見通し
- 国内損保の減益を海外保険事業でカバーしきれなかったことが課題
本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を行うものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

