東京海上ホールディングス(証券コード8766)は2026年8月25日、1株を15株に分割することと、新たに株主優待制度を導入することを発表しました。あわせて、分割に伴う配当予想の修正や自己株式取得の上限見直しも公表しています。今回は業績そのものの発表ではありませんが、株主にとって影響の大きい重要なお知らせです。
この会社、何をしてるの?
東京海上ホールディングスは、火災保険や自動車保険、生命保険などを扱う「東京海上グループ」の持株会社(グループ全体の経営をまとめる会社)です。中核となる東京海上日動火災保険は、日本国内最大級の損害保険会社(事故や災害の損害を補償する保険を扱う会社)のひとつで、欧米やアジアなど海外でも保険事業を展開しています。「安心・安全を届ける」という言葉の通り、私たちの暮らしやビジネスのさまざまなリスクに備える保険商品を幅広く提供しているのが特徴です。
発表の概要
今回の発表には、大きく4つの内容が含まれています。
- 株式分割:1株を15株に分割(基準日は2026年9月30日、効力発生日は2026年10月1日)
- 株主優待制度の新設:100株以上を3年以上継続保有した株主に、初回7,500円相当、翌年以降は毎年2,500円相当の電子マネー等を贈呈
- 配当予想の修正:株式分割に伴う技術的な調整(実質的な金額は変わらない)
- 自己株式取得の上限変更:分割にあわせて取得株数の上限を15倍に調整(取得金額の上限2,000億円は変更なし)
ポイント①:株式分割で「1株の値段」が下がる
株式分割(かぶしきぶんかつ)とは、1株をより小さい単位に分けて株数を増やす仕組みのことです。会社の価値自体は変わりませんが、1株あたりの株価は分割の比率に応じて下がります。今回は1株が15株になるので、単純計算では株価は分割前の15分の1程度になります。たとえば分割前に1株15万円だった株が、分割後は1株1万円程度になるイメージです。株価が下がることで、これまで資金の関係で株を買いにくかった人でも投資しやすくなるという狙いがあります。

ポイント②:株主優待制度が新登場
これまで東京海上ホールディングスには株主優待制度がありませんでしたが、今回新たに導入されることになりました。100株以上を3年以上継続して保有した株主に対して、初回は7,500円相当、その後は毎年2,500円相当の電子マネー等が贈呈されます。ポイントは「継続保有」が条件になっている点で、3月31日と9月30日の年2回の株主名簿に、同じ株主番号のまま7回以上(3年半ほど)連続して記載されている必要があります。短期で売買する人ではなく、長く株を持ち続けてくれる株主を大切にしたいという会社の姿勢がうかがえます。

ポイント③:配当予想の修正は「実質据え置き」
配当予想(会社が「今期はこれくらい配当を出す予定です」と示す見通し)も修正されていますが、これは株式分割に伴う技術的な調整で、実質的な配当額は変わりません。分割前の予想は中間122.5円・期末122.5円の合計245円でしたが、株式分割で1株あたりの価値が15分の1になるため、期末配当を分割後の株数にあわせて8.17円に修正しています。分割前の株数に換算し直すと期末は122.55円・合計245.05円となり、もともとの予想とほぼ同じ金額です。つまり「減配(配当が減ること)」ではなく、あくまで分割にあわせた数字の調整と理解してよさそうです。
| 区分 | 第2四半期末 | 期末 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 直近の配当予想(2026年5月20日発表) | 122.5円 | 122.5円 | 245円 |
| 今回の配当予想(分割後株数ベース) | 122.5円 | 8.17円 | - |
| (分割前の株数に換算すると) | - | 122.55円 | 245.05円 |
| 前期実績 | 105.5円 | 112.5円 | 218円 |
ポイント④:自己株式取得の枠も分割にあわせて調整
自己株式取得(会社が自社の株を買い戻すこと。市場に出回る株数が減り、1株あたりの価値を高める効果がある)についても、上限株数が1億3,000万株から19億5,000万株に変更されました。これも株式分割の比率(15倍)にあわせた調整で、取得金額の上限2,000億円や取得期間(2026年5月21日〜12月23日)は変更されていません。
まとめ
今回の発表は、決算そのものではなく、株式分割・株主優待の新設・配当予想の技術的修正・自己株買いの枠変更をまとめたお知らせでした。株式分割と株主優待の新設は、より多くの個人投資家に長く株を持ってもらいたいという会社の方針を示すもので、既存株主にとっても分かりやすいメリットが増える内容といえそうです。実際の業績(売上や利益)は今回発表されていないため、次の決算発表もあわせてチェックしておくとよいでしょう。
本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を行うものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
出典:東京海上ホールディングス株式会社「株式分割、株主優待制度の導入、株式分割に伴う定款の一部変更、配当予想の修正および自己株式取得に係る事項の変更に関するお知らせ」(2026年8月25日開示)
