「NTT」の略称で知られる日本電信電話(証券コード:9432)が2025年度(2026年3月期)の決算を発表しました。売上にあたる営業収益は14兆4,091億円と前の年より5.1%増え、利益も着実に伸びました。さらに今期は、NTTドコモが銀行事業に本格参入したことで総資産が30兆円から46兆円へと大きく増えるなど、単なる「通信会社」から「デジタル総合サービス企業」へと変革を続けています。
この会社、何をしてるの?
NTT(日本電信電話)は、日本最大の通信グループです。「NTTドコモ」(スマートフォン・携帯電話サービス)、「NTT東日本・西日本」(固定電話・光回線)、「NTTデータ」(ITシステムの構築・運営)など、日常生活に欠かせない通信インフラ(社会を支える基盤設備)を幅広く手がけています。最近はAI(人工知能)や自動運転など、通信を超えた新しい分野にも積極的に投資しており、「電話会社」から「デジタル社会を支える総合企業」へと進化しています。
業績サマリー
| 項目 | 前期(2024年度) | 当期(2025年度) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 営業収益(売上相当) | 13兆7,047億円 | 14兆4,091億円 | +5.1% |
| 営業利益 | 1兆6,496億円 | 1兆7,062億円 | +3.4% |
| 税引前利益 | 1兆5,647億円 | 1兆5,819億円 | +1.1% |
| 当社帰属当期純利益 | 1兆0,000億円 | 1兆0,370億円 | +3.7% |
| 1株当たり利益(EPS) | 11.96円 | 12.61円 | +5.4% |
| 総資産 | 30兆0,625億円 | 46兆7,213億円 | +55.5% |
営業利益と当期純利益の比較単位:億円 着実な増収増益を達成16,496億円前期営業利益17,062億円当期営業利益+3.4%10,000億円前期純利益10,370億円当期純利益+3.7%営業利益当期純利益
注目ポイント① 銀行事業に本格参入!総資産が30兆→46兆円に急拡大
今期最大のトピックは、NTTドコモが「住信SBIネット銀行」を連結子会社(グループの一員として取り込んだ会社)にしたことです。これにより新サービスブランド「d NEOBANK」の提供を開始し、決済・ローン・預金などの金融サービスをスマートフォンと一体で提供できる体制が整いました。銀行が持つ大きな資産規模が連結に加わったことで総資産が一気に約16兆円増加しました。2026年7月には「dカード」「d払い」などの金融事業もNTTドコモ・フィナンシャルグループへ移管予定で、「通信×金融」の融合戦略がいよいよ本格化します。
注目ポイント② AI「tsuzumi 2」と自動運転 — 通信を超えた成長戦略
NTTが独自に開発した日本語AI(人工知能)の大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi(つずみ)」の進化版「tsuzumi 2」を2025年10月にリリースしました。同サイズ帯のAIモデルとして世界トップの日本語性能を持ち、企業が自社サーバー内(オンプレミス)で安全に利用できる軽量設計が特徴です。また、自動運転の社会実装に向け「NTTモビリティ株式会社」を2025年12月に設立し、トヨタ自動車とも「モビリティAI基盤」の共同開発を進めています。通信インフラを持つNTTならではの強みを活かした次世代サービスの育成が着実に進んでいます。
今後の見通し
翌期(2026年度)の業績については、引き続き安定した収益の積み上げを基本としつつ、AI事業・金融事業・自動運転などの新領域への投資継続が見込まれます。通信インフラの維持と新事業への投資を両立させながら、株主還元(配当)も維持・改善の方針を示しています。
まとめ
NTTの2025年度は、営業収益・利益ともに着実な増加を達成した安定した決算でした。住信SBIネット銀行の連結化やAI「tsuzumi 2」のリリース、トヨタとの自動運転協業など、「通信×金融×AI」の融合により、次のステージへの準備が着々と進んでいます。
本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を行うものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

