ニホンフラッシュ(7820)2027年3月期1Q決算 各利益が赤字に

ニホンフラッシュ 決算ブログ

ニホンフラッシュ(7820)が2026年8月10日、2027年3月期第1四半期(2026年4月〜6月)の決算短信を公表しました。売上高は前の年の同じ時期より11.6%減り、営業損益・経常損益・純損益のすべてが赤字になりました。ただし通期(1年間)の業績予想と配当の予想は据え置かれています。

この会社、何をしてるの?

ニホンフラッシュは、マンションなどの住宅に使う「室内ドア」を専門につくっている会社です。社名の「フラッシュ」は、木の枠に板を貼って中を空洞にした、軽くて平らなドアの構造を指す言葉です。ドア本体だけでなく、それに合わせた収納や化粧造作材(部屋のふちを飾る木の部材)まで、まとめて供給できるのが強みです。

売上の大きな部分を中国が占めているのも特徴です。中国の不動産市場が長く低迷しているため、いまはホテル向けの防火ドアや店舗の内装部材など、新しい分野へ事業を広げている最中です。会社はこれを「第2の創業」と表現しています。

第1四半期の業績サマリー

項目前年同期当四半期前年同期比
売上高40億85百万円36億10百万円△11.6%
営業損益△3百万円△1億42百万円赤字拡大
経常損益79百万円△24百万円赤字転落
親会社株主に帰属する四半期純損益25百万円△1億78百万円赤字転落
1株当たり四半期純損益1円11銭△7円82銭
ニホンフラッシュ 2027年3月期第1四半期の業績グラフ

営業損益(本業のもうけ)は前年同期も3百万円の赤字でしたが、今回は1億42百万円まで赤字が広がりました。経常損益と純損益は、前年同期の黒字から赤字に転じています。

注目ポイント1:売上が減った理由は「工事の遅れ」と「中国の作り替え」

国内では、建築現場の工程が遅れたことで売上を計上する時期がずれ、20億85百万円(前年同期比7.7%減)となりました。ドアは建物ができあがる順番に合わせて納めるため、現場が遅れると売上も後ろにずれます。会社は、原材料の高騰に合わせた価格の見直しにも着手済みで、業績は徐々に回復する見込みだとしています。

中国では、あえて販売数量を減らす計画を立てています。不動産市場の低迷が続くなか、住宅部品だけに頼らない体制へ切り替えるためです。会社は、店舗用の内装部材やホテル向け防火ドアに加え、中国のホテルグループと共同開発した高い遮音性のドアなどの納入が決まったと説明しています。台湾では、979戸の大型物件にドアや洗面化粧台まで一括で納める案件が2027年から始まる予定です。

つまり今期の減収は、事業の中身を作り替えるための「意図した減少」という側面があります。ただし、その転換が売上と利益に結びつくかどうかは、これからの四半期で確かめていく必要がありそうです。

注目ポイント2:赤字でも財務の安全性はむしろ高まった

赤字の四半期でしたが、財務の状態は悪化していません。総資産は425億62百万円で前の期末より17億57百万円減り、負債合計は98億50百万円と19億28百万円減りました。売掛金(まだ受け取っていない代金)や支払手形が減ったことが主な理由です。

その結果、自己資本比率(返さなくてよいお金が全体に占める割合。高いほど倒産しにくい)は75.2%となり、前の期末の71.7%から3.5ポイント上がりました。純資産も327億11百万円と、前の期末より1億71百万円増えています。為替換算調整勘定(海外資産を円に直したときの差額)が8億8百万円増えたことが効いています。

借金に頼らず自前の資金で回している会社なので、1四半期の赤字がすぐに経営の不安につながる状態ではないと考えられます。

今後の見通し:通期予想は据え置き、配当も年36円のまま

2027年3月期の通期予想は、2026年5月15日に公表した内容から変更されていません。会社自身が、前の期に比べて減収・減益になると見込んでいる点は押さえておきたいところです。

ニホンフラッシュ 2027年3月期通期予想の前期比グラフ
項目2027年3月期(会社予想)前期比
売上高210億円△10.5%
営業利益14億円△19.8%
経常利益14億50百万円△28.8%
親会社株主に帰属する当期純利益9億円△36.4%
1株当たり当期純利益39円55銭

配当(会社が利益の一部を株主に分けるお金)の予想も据え置きで、中間18円・期末18円の年間36円です。前の期と同じ金額が予定されています。

2026年3月期(実績)2027年3月期(予想)
中間配当18円18円
期末配当18円18円
年間合計36円36円

まとめ

国内は工事の遅れ、中国は事業の作り替えという事情が重なり、各段階の損益がそろって赤字になった四半期でした。もっとも通期では黒字を見込んでおり、会社は下期に向けて回復する前提を置いています。

自己資本比率75.2%という手厚い財務が支えになっている一方、中国と台湾で進めている新しい案件が実際の売上として積み上がるかどうかが、今後の見どころになりそうです。

本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を行うものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

出典:ニホンフラッシュ株式会社「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年8月10日開示)

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