2026年7月28日、東京都心の不動産賃貸を中心に事業を展開するヒューリック株式会社(証券コード:3003)が、2026年12月期の上半期(1〜6月)決算を発表しました。売上高にあたる営業収益は約4,166億円(前年同期比38.8%増)、最終利益(純利益)は約500億円(同11.3%増)と増収増益。中間配当(上半期分の配当金)も前年より1株あたり5円増の33.50円と増配となりました。
この会社、何をしてるの?
ヒューリックは、東京23区の「駅チカ(駅から徒歩数分圏内)」物件に特化した不動産会社です。オフィスビルや商業施設を開発・保有・賃貸するのが主な事業で、2026年6月末時点で東京23区を中心に約250棟のビルを保有・管理。貸せる面積(賃貸可能面積)は約126万㎡、東京ドーム約27個分に相当します。
駅チカ物件は需要が高く、空室(入居者がいない部屋)ができにくいのが最大の強みです。不動産賃貸のほか、「THE GATE HOTEL」「ふふ」シリーズなどのホテル・旅館運営、保険代理店業務、建設工事の受注も展開。近年は不動産リート(REIT)やファンドの運用も拡大し、資産規模(AUM)の増大を進めています。

2026年上半期(1〜6月)決算サマリー
| 項目 | 2025年上半期 | 2026年上半期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 営業収益(売上高) | 3,001億円 | 4,166億円 | +38.8% |
| 営業利益(本業の儲け) | 751億円 | 803億円 | +7.0% |
| 経常利益 | 665億円 | 709億円 | +6.4% |
| 中間純利益(最終利益) | 449億円 | 500億円 | +11.3% |
| 1株当たり中間純利益 | 59.06円 | 65.82円 | +11.4% |
注目ポイント① 営業収益が約4,166億円で約4割増の大幅増収
不動産事業が快調で、セグメント別の営業収益は約3,496億円(前年比35.8%増)と全体をけん引しました。前年度に取得・竣工した物件によるオフィス等の賃貸収入が積み上がったほか、「販売用不動産(売却益を目的として保有する不動産)」の売却も好調。横浜みなとみらいや府中タワーなどを売却し、売却益が増収に大きく貢献しました。ホテル・旅館事業もインバウンド(訪日外国人)需要の取り込みで13%増収となりました。
注目ポイント② 中間配当33.50円に増配、年間67円を維持
中間配当(上半期分の配当金)は1株あたり33.50円で、前年の28.50円から5円引き上げられました。年間配当予想は67.00円(前年62.00円から5円増)で変更なし。2026年7月28日時点の株価1,809円に対する配当利回り(配当金÷株価)は約3.7%で、長期保有の投資家には魅力的な水準です。配当性向(利益のうち配当に回す割合)は適正な範囲で推移しており、連続増配の実績も確認できます。
注目ポイント③ リソー教育ののれん償却で「その他」に特殊損失
「その他」セグメントが約25億円の営業損失となった主因は、子会社・リソー教育グループ株式の株価下落に伴う「のれん(Goodwill、企業買収時に通常の資産評価額を超えて支払った金額)」の追加償却51億円(特殊要因)です。この特殊要因を除くと約27億円の利益となり、本業は改善しています。この費用はキャッシュ(現金)を伴わない会計上の費用のため、実際のキャッシュフローへの影響は限定的です。

今後の見通し
2026年12月期の通期業績予想に変更はなく、営業利益2,100億円(前期比12.4%増)、経常利益1,850億円(同6.9%増)、当期純利益1,210億円(同5.8%増)を目指します。年間配当予想も67円を維持。上半期の通期予想に対する進捗率(営業利益ベース)は38.2%で、不動産売却は下半期に積み上がりやすい季節性があることも踏まえ、通期計画の達成は現実的とみられます。なお、売上高は不動産売買の変動が大きいため、引き続き会社予想の開示がない状態です。
まとめ
ヒューリック(3003)の2026年上半期決算は、東京都心の駅チカ不動産の底堅さを示す増収増益・増配の内容でした。リソー教育関連の特殊要因が「その他」セグメントの利益を圧迫しましたが、本業の不動産事業は賃貸収入の積み上げと物件売却の好調で堅調に推移。通期予想・配当予想とも変更なく、安定した経営方針が続いています。
※本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を行うものではありません。特定銘柄の購入・売却を推奨するものではなく、投資に関する最終的な判断はご自身の責任でお願いいたします。
出典:ヒューリック株式会社「2026年12月期第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年7月28日開示)

