オフィス家具大手のオカムラが2026年8月7日、2027年3月期第1四半期(2026年4月〜6月)の決算を発表しました。売上高は前の年の同じ時期より1.9%減りましたが、本業のもうけを示す営業利益は10.0%増えています。一方、最終的な利益にあたる四半期純利益は37.9%の大幅な減少となりました。
この会社、何をしてるの?
オカムラは横浜市に本社を置く、オフィス家具の国内大手メーカーです。
机やイス、間仕切りなどを自社で作り、オフィスのレイアウト設計から施工までを一括して引き受けています。働き方に合わせて職場をまるごと作りかえる、いわば「オフィスの模様替えの専門会社」です。
事業は大きく3つに分かれます。1つ目は企業のオフィスや学校・公共施設に家具や内装を納める「オフィス環境事業」。2つ目はスーパーやコンビニの陳列棚、冷凍冷蔵ショーケースなどを扱う「商環境事業」。3つ目は倉庫の中の運搬や仕分けを自動でおこなう設備を手がける「物流システム事業」です。
2026年4月からは、2035年を見すえた長期ビジョン「Beyond Breakthrough 2035」と、2027年3月期からの3か年計画「中期経営計画2028」が始まっています。
第1四半期の業績サマリー
主な数字は次のとおりです。経常利益とは、本業のもうけに受取利息や配当などを足し引きした利益のことです。
| 項目 | 前年同期(2025年4〜6月) | 今回(2026年4〜6月) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 754億49百万円 | 740億41百万円 | △1.9% |
| 営業利益 | 31億23百万円 | 34億36百万円 | +10.0% |
| 経常利益 | 39億39百万円 | 42億47百万円 | +7.8% |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 44億97百万円 | 27億92百万円 | △37.9% |
| 1株当たり四半期純利益 | 47円52銭 | 29円50銭 | ― |

売上は減ったのに営業利益が増えたのは、もうけの幅が広がったからです。売上原価(仕入れや製造にかかった費用)が512億32百万円から488億06百万円に下がり、売上総利益は242億17百万円から252億35百万円に増えました。
注目ポイント1:オフィスは好調、物流システムは黒字に転換
セグメント(事業のまとまり)ごとの内訳を見ると、事業によって様子がかなり違います。
| セグメント | 売上高 | 前年同期比 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|
| オフィス環境事業 | 405億14百万円 | +2.7% | 24億80百万円(+6.3%) |
| 商環境事業 | 285億43百万円 | △4.9% | 11億49百万円(+15.6%) |
| 物流システム事業 | 34億97百万円 | △23.7% | 1億10百万円(前年は2億05百万円の損失) |

オフィス環境事業は、人材の確保や働きがいを高める目的でオフィスを作りかえる需要が全国的に広がり、第1四半期としての売上高が過去最高になりました。役所や学校といった公共施設向けも、建物の老朽化にともなう改修が事業機会になっています。
商環境事業は、建築コストの高騰でお店の新規出店が減り、売上は前の年より減りました。ただし期の初めに実施した価格の見直しが定着し、利益は逆に増えています。会社は第2四半期以降の引き合いと受注が増える傾向にあるとしています。
物流システム事業は、受注の低迷が続いて売上が23.7%減りましたが、事業の立て直しで販売費や管理費を減らした結果、前の年の赤字から黒字に戻りました。
注目ポイント2:純利益が減ったのは前の年の反動
四半期純利益が37.9%減ったのは、前の年に一時的な利益があった反動が主な理由です。前年同期は保有していた株式を売った利益(投資有価証券売却益)が15億94百万円ありました。今回はこれにあたる利益が持分変動利益の1億45百万円だけで、逆に価値が下がった資産を評価し直す減損損失を2億00百万円計上しています。
さらに税金の負担も増えました。法人税等の合計は前年同期の8億22百万円から13億99百万円になっています。この結果、税金を引く前の利益は53億29百万円から41億89百万円に減りました。
つまり本業の実力を示す営業利益は増えており、純利益の落ち込みは一時的な要因によるものと言えそうです。
今後の見通し:通期予想は据え置き、配当は年105円の予想
2027年3月期の通期予想は、2026年5月8日に公表した内容から変更されていません。
| 項目 | 通期予想 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 3,470億円 | +5.5% |
| 営業利益 | 260億円 | +7.7% |
| 経常利益 | 275億円 | +6.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 211億円 | △5.9% |
| 1株当たり年間配当 | 105円 | 前期は104円 |
営業利益は通期予想260億円に対して34億36百万円で、進み具合は13.2%です。オフィス家具は年度の後半に納品が集まりやすいため、第1四半期の進捗率は低めに出やすい点に注意が必要です。
配当(会社が株主に利益を分けるお金)は、中間52円50銭・期末52円50銭の年105円を予想しており、前の期の104円から1円増える見込みです。予想の修正はありません。
財務の状態も見ておきます。総資産は2,946億77百万円で前の期末より71億99百万円減りました。自己資本比率(会社の資産のうち返さなくてよいお金の割合)は69.3%と、前の期末の67.6%から1.7ポイント上がっています。営業活動で得たお金は150億27百万円の収入で、前年同期の101億17百万円から増えました。
まとめ
オカムラの第1四半期は、売上が1.9%減った一方で営業利益が10.0%増えるという内容でした。オフィス環境事業が第1四半期として過去最高の売上を出し、赤字だった物流システム事業も黒字に戻っています。
純利益が大きく減って見えますが、これは前の年に株式の売却益があった反動と税負担の増加によるものです。通期予想は据え置かれ、配当も年105円の増配予想が維持されました。今後は商環境事業の受注が実際に回復するかどうかが、ひとつの見どころになりそうです。
本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を行うものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
出典:株式会社オカムラ「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年8月7日開示)

