リケンNPR(6209)2027年3月期1Q決算 営業利益は半減

リケンNPR 決算ブログ

リケンNPR(6209)が2026年8月10日、2027年3月期第1四半期(2026年4月〜6月)の決算短信を公表しました。売上高は前の年の同じ時期をわずかに上回りましたが、営業利益(本業で稼いだもうけ)は半分以下に減っています。一方で、通期(1年間)の業績予想と配当の予想はどちらも据え置かれました。

この会社、何をしてるの?

リケンNPRは、自動車のエンジンに使われる「ピストンリング」をつくる会社です。ピストンリングとは、エンジンの中で上下に動く部品(ピストン)と、その外側の筒とのすきまをふさぐ、細い金属の輪のことです。燃えたガスがもれないようにする、エンジンの「パッキン」にあたる部品だとイメージしてください。

この会社は、旧リケンと旧NPR(日本ピストンリング)という2社が経営統合してできた会社です。ピストンリング以外にも、水道やビルの配管をつなぐ「継手(つぎて)」、機械の中で使われる精密な部品、そして半導体をつくる装置向けの部材なども手がけています。2026年4月には、旧2社の縦割りだった組織をやめ、6つの事業部に分ける大きな組織再編を実施しました。

第1四半期の業績サマリー

項目前年同期当四半期前年同期比
売上高397億45百万円403億10百万円+1.4%
営業利益32億69百万円15億72百万円△51.9%
経常利益43億63百万円28億05百万円△35.7%
親会社株主に帰属する四半期純利益32億33百万円30億71百万円△5.0%
1株当たり四半期純利益120円33銭114円17銭
リケンNPR 2027年3月期第1四半期の業績比較グラフ

経常利益(本業のもうけに、利息や為替などの損得を足し引きした利益)も35.7%減りました。ただ、最終的に手元に残る純利益の減り方は5.0%にとどまっています。自己資本比率(返さなくてよいお金が全体に占める割合。高いほど財務が安全)は67.5%で、前の期末の70.0%から少し下がりました。

注目ポイント1:売上は増えたのに、営業利益は半分以下

売上高が増えた理由として会社は、円安による為替換算の押し上げ効果と、半導体・エレクトロニクス関連向け部材が好調だったことを挙げています。つまり、円安で海外の売上が円に直したときに大きく見えた面があるということです。

その一方で、為替の影響を除いた実質の売上は減っています。さらに、2026年4月の統合にともなう会計方針の見直し・統一や、会計処理の変更による一時的な費用の増加が重なりました。この結果、営業利益は15億72百万円まで縮んでいます。

ただし、純利益(税金などを引いて最後に残るもうけ)は、投資有価証券の売却益や法人税等調整額の計上によって支えられ、30億71百万円と5.0%の減少にとどまりました。売却益は毎年出るものではないため、本業の力を見るときは営業利益の動きに注目したいところです。

注目ポイント2:事業別では半導体関連が3割超の増収

今期から事業の区分(セグメント)が新しくなりました。前年同期の数字も新しい区分に置き換えて比較されています。

リケンNPR 事業別売上高のグラフ

主力のピストンリング事業は売上高140億20百万円(前年同期比13.1%減)、セグメント利益12億13百万円(同27.6%減)でした。会社は、米州で前年にあった関税前の駆け込み需要の反動減や、中国の景気減速とEV補助金の減額による需要の落ち込みを理由に挙げています。

精機部品・素形材関連事業は売上高155億19百万円(同6.2%増)と伸びましたが、利益は2億91百万円(同71.4%減)と大きく落ちました。配管機器事業も売上高41億68百万円(同5.7%減)、利益は2百万円(同99.0%減)とほぼゼロになっています。建設業界の人手不足や資材価格の高騰が響いた形です。

明るい材料は半導体・エレクトロニクス関連事業で、売上高39億10百万円(同35.1%増)、利益3億80百万円(同36.8%増)と大きく伸びました。生成AI向けデータセンターの需要拡大が追い風になっています。なお「その他」は売上高31億53百万円(同33.4%増)ですが、3億26百万円のセグメント損失でした。

今後の見通し:通期予想・配当予想はどちらも据え置き

2027年3月期の通期業績予想は、前回の発表から変更されていません。

項目2027年3月期(会社予想)前期比
売上高1,620億円△0.7%
営業利益100億円△22.2%
経常利益135億円△22.2%
親会社株主に帰属する当期純利益90億円△35.8%
1株当たり当期純利益334円64銭

配当(会社が利益の一部を株主に分けるお金)の予想も据え置きです。年間の合計額は前の期と同じですが、中間と期末の配分が変わっている点が目を引きます。

2026年3月期(実績)2027年3月期(予想)
中間配当50円80円
期末配当160円130円
年間合計210円210円

まとめ

売上高はほぼ横ばいを保った一方で、統合にともなう一時的な費用や自動車市場の減速が利益を押し下げた四半期でした。半導体・エレクトロニクス関連が伸びている点は、自動車以外の柱を育てるうえで注目したい変化だと考えられます。

通期予想は据え置かれているため、次の四半期以降に一時的な費用の影響がどこまではがれていくかが、確認したいポイントになりそうです。

本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を行うものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。

出典:リケンNPR株式会社「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年8月10日開示)

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